ついに帰国して1週間が経ちました。
日本代表団への応援、本当にありがとうございました!!
少しでも感じたことをシェアできればと、複数回にわたってまとめていきたいと思います。
フレスコボール ブラジル選手権 コパカバーナステージ
Etapa Copacabana – Circuito Brasileiro de Frescobol 2018
この大会は、ABRAFというブラジルフレスコボールの協会が主催しています。年間レースの最終試合という位置づけのようで、そこに日本人選手が招待されたのは昨年2017年からです。
そもそも海外選手が参加することは異例だったようで、今年も光栄なことに日本1位として参加させていただきました。
ABRAFのFacebookページはこちら
またもうひとつ協会が存在していてそちらはCBraF
CBraFはスピードガンによる計測システムを用いていますが、今回のABRAFは日本フレスコボール協会と同様の審査員による採点が主となります。
ではいったいどういうルールなのか?高得点を目指す方はゲームのルールをよく知りたいですよね。なのでまずはルール説明から。
ABRAFのルール
来年ブラジルを目指す方のためにも、高得点獲得のためのルールを解説いたします。
時間は5分
こちらは日本と変わらずです。ただ落球するとタイムは止まります。呼吸を整えたり、しっかりと次の作戦を考えられるので安心できます。
ペア間の距離
一般の部および女子の部は7メートルと日本と同じです。
プロの部は8メートルとなります。
落球マイナス点
最初に150点を持ち点とし、1落球ごとにマイナス9点です。
落球20回で打ち切り
なんと残り時間が余っていても落球20回で強制終了となります。
通常の打数
なんと得点対象ではありません。つまりただラリーをしているだけでは加点なしのまま時間だけが過ぎます。
アタック点
まず、2人の合計アタック数がそのままポイントとなります。
さらに合計が220を超えるとさらに階段式の加点があります。
ちなみにですが日本とはちがい、審査員2人がそれぞれペアのパフォーマンスを目視しているのでそのためディフェンスでもアタックとして加点されている可能性が非常に大きいです。なのでこのルールだけに最適化するのであればフォアフォアでのラリーが良いかも?
ただ日本以上に魅せるプレーが必要で、アタックとして取ってもらうためにはしっかりと打ち込み、リスクを取ったプレーでないと難しそう。
ハンマーアタック点
こちらは7回までプラス2点の加点対象となります。
つまり合計14点分×2人=最大28点
ハンマーアタックの定義は、頭上のボールに対してリスクを負ってアタックしていること
バックハンドアタック点
こちらは12回までプラス3点の加点対象となります。
つまり合計36点×2人=最大72点
バックハンドアタックの定義は、イレギュラーサイドでリスクを負ってアタックしていること
アタックバランス点
少ないプレイヤーのアタック回数により段階性の点数が用いられてます。
算出方法は異なるが、やはり日本と同じでバランスは重要視されているなぁと。
技術点
日本にありますが、股抜きショットや背面打ち、ダイビングショットへの加点はありません。
低いボールも逆サイドにきたボールも極力アタックとして打てるようになるほうが理想です。
大会レベルやカテゴリの印象
強豪選手の不在
私の敬愛するMarquinho選手をはじめとして、Marcelo選手や女子もトップクラスの選手の多くが出場していなかったので、大会の箔として少し不安にもなりました。
まぁ協会が二つあったりそれぞれでルールも違うのでいたしかたないのですが、世界目線での普及を考えても統一ルールの存在は不可欠だなと思います。
女子エントリー数<ミックスエントリー数
競合選手の不在とも重なりますが女子ペアは、なんといつも来日しているCamilaも出場しておらず、ミックスのほうが盛り上がっているように感じました。
日本でも同じ傾向なので、どこの国でも女子ペアへの競技としての普及には困っているのかなぁと思いました。
トップクラスはそれでもハイレベル
まぁそうはいっても、男子プロの上位3組はとてつもないレベルでした・・
こちらは昨年に続き、優勝したペア
ラリーのテンポと安定感が異次元・・
特に日本との差を痛感したのは昨年に引き続きディフェンス。
アタックのような速さと、打ちやすい位置へ打つ安定感が、ラリーの質に大きく貢献しているなぁと思いました。
ブラジルで勝つために
来年ブラジルでのこの大会を目指す人のために書き留めておこうと思います。
アタックをアタックとして魅せる
まず大前提としてアタックの評価は本当に厳しいです。テイクバックを大きくとる必要はないのですが、フォロースルーや気合い(声?)、迫力などが必要です。
それだけ言われても結局なにを練習するんだ?って話ですよね。
個人的な見解ではおそらくスウィングスピードが、アタックの要素としては大きいように感じました。
ゆっくりスウィングするアタックでは、どうしてもリスクを取ってないように見られるからかなと思います。
しっかり押し出すフォロースルーの意識と、スウィングスピードも日頃から意識して練習しましょう。
バックハンドアタック、ハンマーアタックの習得
この2つのアタックは是非ともマスターしておきたいところです。私がよくやる練習方法はこちらです。
①練習したいコースだけ狙う
まずは練習したいコースだけ狙ってもらいます。最初はくるコースが分かっていても難しいと思います。
②3球に1回練習したいコースを狙う
ミスが10球に1球くらいに減れば3球ごとに変えます。直前のアタックと違う動きをしているので体にしみこませないと難しいです。
意識したいのは、通常コースのボールはノーミスでやること。練習したいコースをミスしてしまうのはそれこそ練習なのでしかたありません。試行錯誤すればよいです!
ですが3球に2球の通常コースの際は絶対にミスしないように心がけましょう。
③ランダムで練習したいコースを狙う
ほとんどミスをしなくなったらあとはランダムです。通常の練習とほぼ同じですが前触れなく練習したいコースを狙います。
やはりコースが分かっているのと分かっていないのではかなり差が出ます。
②⇒③はかなり大変です。
相方も根気よくお付き合いしてあげましょう!
実は相方のほうが練習になる?
お気づきかもしれませんが、これ、練習相手も相当大変です。かなりのディフェンスのコントロール力がないとそもそも練習にならなかったりします。
得意コースを練習したいと言われたら、むしろ自分のディフェンス練習になるので嫌な顔せず受けてあげましょう(笑)
最後はやっぱり落球
当たり前ですが、最後はやはり落球を減らさなければいけません。
各ショットの精度をあげるのももちろん必要ですが、もうひとつ練習したいのはつなぎのショット。
態勢が崩れるような難しいボールを、アタックとして取られる可能性が少ないのにリスクを取って打ち込むのではなく次の2種類のように対応できればよいなぁと思ってます。
そのボールのアタック加点は諦めて
A:ペアのフォア側に丁寧に返すことでアタックバランスをチェンジする
理想はこちらのAパターンです。アタックとして取られない死に球を減らすことができます。
また、得点には関係ないですが見ているほうも楽しいです。
このAパターンを意識して練習した結果が、松浦選手との三浦カップやジャパンオープンの試合です。頻繁にラリー中にチェンジがおこなわれているかと思います。
B:次のアタックにつながるように必ず相手の取りやすいところに打つ
もしAパターンが難しいときの次善の策です。次、しっかりとアタックを打てるボールがくるように相手ディフェンスの一番理想のコースへ返球します。
こういったショットに思いやりのスポーツたる面白さがあるなぁと個人的には思います。
大会概要編いかがでしたでしょうか?
次回は試合編を予定しています!お楽しみに!